シルク博物館の歴史

シルク博物館は、神奈川県、横浜市及び関係業界の協力によって建設されたシルクセンター国際貿易観光会館の重要な一事業として昭和34年3月に同会館内の2階と3階に開設されました。
会館の建設された場所は、開港当初に英国商社ジャーディン・マセソン(英一番館)のあったところです。

シルクセンター構想を打ち出したのは内山神奈川県知事で、当初最も重点を置いたのが「絹の博物館」の建設でした。蚕から絹製品に至るまでの豪華な展 示を行い、多くの海外の観光客にわが国の絹をPRし、生糸輸出を高めようという観光と生糸貿易の振興、つまり戦後の復興をねらったものでした。神奈川県博 物館協会が「神奈川県シルクミュージアム構想試案」を作成し、「博物館設立準備委員会」が設けられ、専門家などによる検討が行われ開設されました。

 

昭和34年3月 (1959)

シルク博物館は、横浜開港100年記念事業として、開設されました。

開 館当初の博物館は、会館の2階に蚕の一生、蚕糸統計パネル、繭改良の変遷、生糸、自動繰糸機、機織り機、国内各産地の絹織物などの展示を、3階には日本時 代風俗衣装の変遷、シルクロード、芸能衣装、友禅や綴織壁掛けなどの展示がなされ、服飾の歴史と絹の工芸美を鑑賞できるように整備しました。

戦後は、大型外国船が横浜港に寄港し、外国人観光客で賑わっていましたが、シルク博物館が開館したころの横浜は、羽田の航空路が盛んになったことや 神戸港で下船し京都・奈良を観光する外国人が多く、外国人観光客は半減していました。このため、大型外国観光客船が寄港する度に横浜観光とシルクのPRの ための歓迎の催しを開催しました。

 

昭和44年 (1969)

開 館10周年記念の年の昭和44年には、蚕から絹に至る自然科学系の展示を充実させるなど、展示施設の大幅な改装を行い、海側入口(外)に彫刻家安田周三郎 氏の秀作「絹と乙女」像を設置し、同じ場所に津久井町青根(現在の相模原市)から寄贈された桑樹(横浜開港ごろに植えられたものといわれる。)が植えられ ました。

 

昭和46年 (1971)

シルク博物館は博物館法に基づく「博物館に相当する施設」として指定を受け、昭和48年には学芸員資格取得者も増えるなど必要条件も整い「博物館法に基づく博物館」となりました。

 

平成11年3月 (1999)

開館40周年を迎えるのを契機に、来館大幅なリニューアルを行いました。

 

平成21年 (2009)

開館50周年を迎え、特別展として『開館50周年記念「ヨコハマ開港とシルク展」-ヨコハマ開港150周年にあたり-』を開催し、たくさんの方がご来館くださいました。