秋の特別展 10/1(土)~11/13(日)
「横浜・生糸」ものがたり Ⅲ
「横浜から世界へ -海を渡った生糸-」
当館の開館60周年を記念して横浜の生糸輸出を支えた産業(養蚕、製糸・撚糸、貿易)の歴史を紹介する「横浜・生糸」ものがたりシリーズの第三弾です。締め括りとなる今回は、神奈川県の「生糸貿易」を取り上げます。
東海道の神奈川宿近く、100戸ばかりの半農半漁村であった横浜村で、横浜開港が決まると急速に都市建設が始まります。わずか半年足らずで街並みが整備され、安政6年(1859)6月2日に横浜港が開港しました。現在の山下町には外国人居留地があり、当時イギリスの総合商社ジャーディン・マセソン商会(英一番館)があった場所、現在の山下町1番地にシルク博物館はあります。
それまで国内で流通していた生糸は、開港を境に貿易品の花形となり、代表的な生産地の福島県、群馬県、埼玉県、長野県をはじめ生産力が高まっていきます。大量の生糸が横浜に持ち込まれ、売込商(日本人商人)と外国商館との間で生糸取引が盛んに行われ、横浜港からヨーロッパを中心に輸出されました。開港当初に活躍した群馬県出身の中居屋重兵衛に続き、後に二大売込商と呼ばれる亀屋(原善三郎)や野沢屋(茂木惣兵衛)のほか多くの売込商が生糸貿易を担いました。明治10年代に入ると、売込商や外国商館を通さずに直接輸出をする直輸出も加わりアメリカへの輸出が伸びていきました。
今回の特別展では、近代日本の発展を経済的に支えた生糸貿易の歴史を一覧します。また、生糸貿易が行われた開港当初の町の姿、売込商と外国商館の取引の様子を浮世絵や文書・版本などから紹介するとともに、生糸標本の実物も展示公開します。
本展が横浜と日本の発展を支えた生糸貿易と蚕糸業に携わった人々のあゆみを振り返る機会となれば幸いです。
【 開催期間等 】
会 期 : 令和4年10月1日(土)~11月13日(日)
[前期]10月 1日(土)~10月23日(日)
[後期]10月25日(火)~11月13日(日)
休館日 : 月曜日 (ただし10月10日は開館)、10月11日(火)
開館時間: 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
【 後 援 】(予定)
神奈川県 / 横浜市 / 横浜市中区 / 群馬県嬬恋村 / 神奈川新聞社 / tvk / NHK横浜放送局 / 一般財団法人繊貿会館 / 東京織物卸商業組合 / 中居屋重兵衛顕彰会 / 横浜繊維振興会
【主な展示資料】
Ⅰ 生糸貿易の夜明け
横浜風景一覧/神奈川野毛横浜 広重(二代) 文久元年 神奈川県立歴史博物館 再改横浜風景 貞秀 文久元年 当館 横浜海岸之風景 貞秀 明治初期 神奈川県立歴史博物館 永書 十七番 会所 安政4年~文久4年 公益財団法人三井文庫 日下恵 中居屋重右衛門 黒岩幸一
Ⅱ 居留地貿易―売込商と外国商館―
横浜開港見聞誌 貞秀 文久2年 当館 横浜諸会社諸商店之図 横浜開港資料館 日本絵入商人録 横浜開港資料館
Ⅲ アメリカの絹織物業と日本の生糸
横浜蚕糸貿易市場協定書 横浜蚕糸貿易商 明治33年 仙田郁雄 富岡製糸所飛切生糸 明治34年 公益財団法人三井文庫 生糸(器械糸) 当館 アンぺラ 当館 The AMERICAN SILK JOURNAL 大正12年 当館
※ 会期中、展示替えがあります。
【 関連行事 】
■連続講座(全3回)
本展開催に伴い、次のとおり連続講座を開催します。「都市形成」「生糸貿易」「日米貿易」をテーマに、それぞれご専門の先生方に深く掘り下げていただきます。
■第一回 令和4年10月8日(土)14時~16時
演 題:「開港場横浜の都市形成」
講 師:横浜開港資料館・横浜都市発展記念館 副館長 青木祐介氏
■第二回 令和4年10月22日(土)14時~16時
演 題:「生糸貿易の幕明けと中居屋重兵衛」
講 師:横浜開港資料館 館長 西川武臣氏
■第三回 令和4年11月5日(土)14時~16時
演 題:「日本生糸と日米貿易」
講 師:横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館 館長 上山和雄氏
○会 場:大会議室(シルクセンタービル地下1階)
○参 加 費:1,000円(入館料別) 初回時にお支払いいただきます。
○定 員:20名 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本来40名収容のところ半数とします
○申込方法:往復葉書による申込(申込者多数の場合は、抽選とします)
○申込期間:令和4年9月9日(金)~9月19日(月・祝) 消印有効
⇒ ◆ 連続講座のご案内はこちらから
※ 特に申込方法及び期間についてご確認の上、お申し込みをお願いします。
■ 学芸員によるギャラリートーク
開 催 日 : 10月9日(日)、10月23日(日) 、11月6日(日)
各日とも 14時~
【入館料 】
一般 700円 (400円)
65歳以上/大学生 300円 (200円)
高校生/小・中学生 100円 ( 50円)
※( )内は団体割引(20人以上)の料金
【その他】
■感染対策の実施について
現在、当館では新型コロナウイルス感染症予防対策を講じており、ご入館される際には、ご協力をお願いしております。当館の予防対策については、以下をご覧ください。
⇒ ◆入館に際してのお願い事項